本来はSE3P用ですが、FD3Sにも適合するとのことで購入しました。今のところ問題なく使えています…
ロータリーエンジンはマツダ以外も採用していた!世界の挑戦と撤退の歴史
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2025.02.04
CATEGORY: ロータリーの話題
目次
(ロータリーの鼓動は愛・イメージ)
ロータリーエンジンといえば”マツダ”を思い浮かべる人が多いですが、実は世界中のメーカーがこの技術に挑戦してきた歴史があります。
ヴァンケル博士が開発したこの革新的なエンジンは多くのメーカーによって採用され、それぞれ独自の改良が加えられてきました。
しかし、技術的な課題や燃費の問題などにより、市場に定着することができなかったメーカーも少なくありませんでした。
本記事ではロータリーエンジンを開発・採用したマツダ以外のメーカーの挑戦やその背景について詳しく解説します。
✅記事のポイント4つ!
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マツダだけじゃない!ロータリーエンジン開発に挑んだメーカー
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ヴァンケル博士が生んだロータリーエンジンの歴史
ロータリーエンジンの原型は、ドイツのエンジニアであるフェリックス・ヴァンケル博士によって開発されました。
ヴァンケル博士は従来のピストン往復型エンジンの構造的な制約を克服し、よりスムーズで効率的なエンジンを生み出すことを目指していました。
この独創的な設計は少ない部品点数と軽量な構造を実現し、高回転時の滑らかな動作が可能となるものでした。
ヴァンケル・エンジンの開発が進む中で多くの自動車メーカーがそのポテンシャルに注目し、ライセンス契約を結んで独自の改良を加えていきました。
しかし、初期のヴァンケル・エンジンには技術的な課題が多く、特に密閉性の確保や耐久性の問題が解決されないまま市場に登場しました。その結果、量産化に踏み切ったメーカーの多くが撤退を余儀なくされたのです。
世界中のメーカーが挑戦したロータリー技術
ロータリーエンジンはマツダだけのものではなく、世界各国のメーカーが開発を試みた歴史があります。
特に1960年代から1970年代にかけて、ロータリーエンジンは革新的な技術として注目を集め、多くのメーカーが独自の改良を施しながら実用化に向けて研究を進めていました。
例えば、ドイツのNSUは早期にロータリーエンジンの量産に成功し「NSUスパイダー」を市場に投入しました。しかし、エンジンの耐久性やオイル消費の問題が克服できず、長くは続きませんでした。
フランスのシトロエンも「GSビロトール」にロータリーエンジンを搭載して市販化しましたが、ユーザーの評価は厳しく、短期間で生産終了となりました。
このように、各メーカーが試行錯誤を重ねながらロータリーエンジンの開発に挑んだものの、技術的な課題や燃費の悪さがネックとなり、最終的には撤退を余儀なくされるケースが多かったのです。
日産のロータリーエンジン開発と撤退の理由
日本の自動車メーカー”日産”もまた、ロータリーエンジンの開発に積極的に取り組んだメーカーの一つです。
1972年の東京モーターショーでは「サニー・ロータリー・プロトタイプ」を発表し、市販化が目前に迫っていることをアピールしました。
この車両には500ccの2ローターエンジンが搭載され、コンパクトながらも高い出力を実現していました。
しかし、市販化直前に発生したオイルショックが大きな打撃を与えます。ロータリーエンジンは燃費が悪く、石油価格の急騰により経済的な面での採算が取れなくなったのです。
加えて、当時の日産は排ガス規制対応や耐久性向上の問題にも直面しており、これらの課題を克服するには膨大な投資が必要でした。
その結果、日産はロータリーエンジンの開発から撤退する決断を下すことになりました。
メルセデス・ベンツのC111とRE開発の挫折
メルセデス・ベンツもロータリーエンジンの開発に挑戦したメーカーの一つです。
特に1969年のフランクフルトモーターショーで発表された「C111」は、ロータリーエンジンの可能性を示す象徴的なモデルとして注目されました。C111には3ローターのエンジンが搭載され、未来的なデザインと高性能を誇っていました。
しかし、実用化を進める過程でロータリーエンジン特有の課題が浮き彫りになります。特にアペックスシールの耐久性が問題視され、長期間の使用に耐えるエンジンの実現が困難でした。
さらに、1970年代のオイルショックによる燃費性能への厳しい評価も加わり、最終的にメルセデス・ベンツはロータリーエンジンの採用を断念するに至りました。
自動車以外でも活かされたロータリーエンジン
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スズキが開発したロータリーエンジン搭載バイク
スズキは自動車ではなく、オートバイにロータリーエンジンを搭載する挑戦を行いました。その結果誕生したのが「RE5」です。
このモデルは497ccのシングルローターエンジンを搭載し、61.9馬力を発生する画期的なマシンでした。
しかし、ロータリーエンジン特有の高温問題や冷却装置の複雑化が大きな障害となりました。
特にエンジンの冷却を補助するための装置が増えた結果、車重が大幅に増加し、230kgという重量級のバイクとなってしまったのです。このため、走行性能に影響を及ぼし、販売面では苦戦を強いられました。
船舶や農機にも採用されたロータリー技術
ロータリーエンジンの特性は軽量で振動が少なく、静粛性に優れていることから船舶や農機などの分野でも活用が模索されました。
例えば、ヤンマーは船舶用ロータリーエンジンを開発し、世界初のロータリー船外機を市場に投入しました。このエンジンはコンパクトでありながら高出力を発揮し、船舶の動力源としての可能性を示しました。
ヤマハとヤンマーの挑戦とその成果
ヤマハとヤンマーは共同でロータリーエンジンの研究を進め、実際にエンジンを搭載した製品を市場に投入しました。
特にヤンマーは低振動という特徴を活かし、チェーンソーの動力源としてロータリーエンジンを採用しようと試みました。
しかし、低速トルク不足というロータリーエンジンの弱点が露呈し、商業的な成功には至りませんでした。それでも、ロータリーエンジンの新たな可能性を示した点では大きな意義があったと言えるでしょう。
未来に続くロータリーエンジンの可能性
現在でもロータリーエンジンの研究は続けられています。特に小型ドローンや発電機など、新しい用途での活用が期待されています。
無人航空機(ドローン)では長時間飛行が求められますが、軽量なロータリーエンジンはその要件を満たす可能性が高く、実際に一部のメーカーでは搭載実験が進められています。
また、発電機への応用も期待されています。従来の発電機はディーゼルエンジンを使用することが多いですが、ロータリーエンジンは振動が少なく小型化しやすいというメリットを活かし、携帯型発電機や災害時の緊急電源としての開発が行われています。
加えて、近年ではカーボンニュートラルの観点から、水素燃料を用いたロータリーエンジンの研究も進んでいます。
ロータリーエンジンは構造上、ガソリン以外の燃料にも適応しやすく、将来的にはクリーンエネルギーを利用した持続可能なエンジンとしての可能性が期待されています。
技術革新により、ロータリーエンジンが再び脚光を浴びる日が来るかもしれません。
まとめ:ロータリーエンジンはマツダ以外でも採用されていた歴史
以下に記事のポイントをまとめます。
- ロータリーエンジンはヴァンケル博士によって開発された
- 多くのメーカーがライセンス契約を結び独自開発を進めた
- NSUが最初に市販車へロータリーエンジンを搭載した
- シトロエンは「GSビロトール」を試験的に販売した
- 日産は「サニー・ロータリー・プロトタイプ」を開発したが市販に至らなかった
- メルセデス・ベンツは「C111」でロータリーエンジンを実験した
- スズキはオートバイ「RE5」にロータリーエンジンを搭載した
- カワサキやヤマハもロータリーバイクの試作を行ったが市販化しなかった
- ヤンマーは船舶用ロータリーエンジンを開発し市場投入した
- ヤマハとヤンマーは共同でロータリーエンジンを研究した
- 船舶や農機などクルマ以外の分野でも活用が模索された
- ロータリーエンジンは燃費や耐久性の課題が大きかった
- 1970年代のオイルショックが普及を阻む要因となった
- 近年ではドローンや発電機への応用が進められている
- 水素燃料対応のロータリーエンジンも研究されている

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